悲鳴の歌で目覚め 業火の子守唄で眠る
力は全てを支配し 全ては力を追い求める
弱者は駒なり 弱者は道具なり
歪んだ今日は誰のせい? 歪んだ明日は誰のもの?
神がこれを望まぬならば 無能な神を恨むまで
神がこれを望むならば 愚かな神を滅ぼすまで
(プロローグより)
小さな孤島のはずれにあるスモス村。
その村に住む郵便屋のカインドは、12月29日の朝、
いつものように郵便局に届いた手紙に消印を押し、村の人たちに手紙を届けていました。
すると宛名のない手紙があることに気が付いたのです。
『12月28日の晩に届いた宛名のない手紙を開けると、
開けた者とその者が住む村に災いが起こる。』
スモス村にはそんな言い伝えがあったのです。
手紙の存在をしった村長はカインドに手紙を開けることはもちろん、手紙の差出人を捜すことも禁じます。
しかしカインドは、郵便屋の使命を果たすため、差出人を捜すことにし―――。
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タイトル画面 |
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主人公カインドとスモス村 |
Holy Knightsには大きくふたつのシステムがあります。
ひとつめのシステムは文通システムです。
まずは、町の中から文通希望者を見つけ、文通を申し込んで下さい。
しばらくして自室の机を調べると、相手から手紙が届いているので、
選択肢の中から好きな話題を振ったり、レスを返してあげましょう。
選んだ選択肢によって相手からのレスも変わるため、
リアルタイムで文通をしているかのような感覚を味わえます。
また、文通相手からお店では買うことのできない、
珍しいアイテムがもらえることもあります。
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町の中から、文通相手を探そう |
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いざ、文通スタート! |
ふたつめのシステムはHoly Knightsシステムです。
はじめに、Holy Knights事務所で任務を請け負います。
その後、依頼人に会いに行き、任務を行います。
任務が成功すれば、報酬がもらえるというシステムです。
また、成功すると報酬と一緒にKP(Knight Point)も獲得できます。
このKPが増えると階級が上がり、より報酬の高い任務を請け負うことができるようになります。
この他にも原石や検定集め、隠しボスといった、数々のやりこみ要素があります。
これらは全て、やりこみステータスに反映され、
自分がどれだけゲームをやりこんだか、一目で知ることができます。
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多彩な任務が用意されている |
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目指せ、やり込み度100%! |
このゲームには、『丁寧』という言葉がよく似合っていると思います。
壮大なストーリー、独特な世界観、個性豊かなキャラクター。
どれをとっても大変緻密に作り上げられていて、落ち度がまったく見当たりません。
特にストーリーに関しては秀逸で、あれだけスケールの大きな物語でありながら、
一貫性があり矛盾がなく、最後には伏線も全て明かされます。
長編RPGに分類されるぐらい、総プレイ時間は長いですが、
シリアスな場面とコミカルな場面とをうまく使い分けているため、
飽きることなく、サクサクとゲームを進ませていくことができます。
また、イベントシーンにおいて、キャラクターの心情が巧みに表現されており、
その時その時のキャラの気持ちがよく伝わってきます。
イベントの最中に流れる音楽にも大変凝っており、
ひとつひとつの場面に合わせた音楽を使っているため、プレイヤーの気持ちを盛り上げてくれます。
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笑いの場面多数あり! |
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もちろんシリアスな場面も…。 |
その他仲間になるキャラクターも、非常に個性豊かで、
美形キャラに偏りすぎている、等とということはありません。
また、扱いが良いキャラクターと悪いキャラクターに別れているということもありません。
主要キャラクターはもちろんのこと、サブキャラクターにもひとりひとり見せ場があるため、
作者の飛翔さんが、皆平等にキャラクターに愛情を注いでいることがわかります。
性格も千差万別なため、お気に入りのキャラクターを見つけることができるでしょう。
戦闘に関しては、エンカウント率が若干高く感じられたものの、
その分経験値やお金が貯めやすかったたため、ちょうど良かったように思えます。
難易度も適切であるため、戦闘でストレスが溜まることは無いでしょう。
ただし、例外として隠しボスは馬鹿に強いため注意して下さい。(笑)
オーソドックスでありながら、随所に作者のこだわりが見られるこの作品。
とにかく万人におすすめしたいゲームです。
ぜひカインドと一緒に、手紙の差出人を捜す旅へと出かけてみて下さい。
(Reviewer ぼたん) |